マンゴー皮膚炎 ―マンゴーによる接触皮膚炎―
[2005.10.25]
マンゴープリン、マンゴーヨーグルト、マンゴージュース、もちろんマンゴーそのままスライス、今ブームです。ベータカロテンとビタミンC、食物繊維が豊富で香り高く甘みと酸味がバランスよく・・人気の秘密がわかるような気がします。しかし、あざやかなマンゴーの黄色い実にかぶりついた後、1~2日たって顔面特に口のまわり、手などに赤く痒くてたまらない小水疱や丘疹、腫れができることがあります。マンゴーによる接触皮膚炎です。マンゴーの皮をむいた人は特に手に強く反応が出ます。マンゴーはうるし科の植物でかぶれの原因である物質は主にマンゴーの果皮、葉、樹液の部分に含まれていますが果肉にも少量存在します。かぶりつかないで、ナイフで切ってフォークで食べると問題ない人もいるのはこのためだと考えられますが、まったく安全とは言えないので注意は必要です。カシューナッツ、ピスタチオ、ウルシ、ハゼ、ドクヅタなどのウルシ科の植物にはマンゴーと同様のかぶれる成分が含まれていますのでマンゴー皮膚炎の方はかぶれる可能性が高いです。またウルシ科ではありませんが、ギンナンの果皮、イチョウの葉などと交差反応性があるのでマンゴー皮膚炎の方は注意が必要です。
【診断】
病歴から推察できますが、マンゴーにかぶれることが念頭にない方もおられるので、詳しい生活の見直しが必要なことがあります。
【治療】
急性皮膚炎になりますので、ステロイド外用剤と必要に応じて抗アレルギー剤の内服を行なえば、数日で回復します。予防は原因となるマンゴーの摂食また調理を避けることです。