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ドライスキンと皮脂欠乏性湿疹

[2007.11.15]
冬、特に高齢者に、すねや腰などがかさかさしてかゆくなることがあります。 原因の大部分は(ドライスキン)です。 ひどくなると波状、網目状のひび割れや亀の甲羅状の赤い湿疹(皮脂欠乏性湿疹)ができて どんどんかゆみが強くなります。 かゆくてかくことによって炎症がおき、丸いじゅくじゅくしたあるいはかさぶたのある湿疹になることもあります。 [原因] 寒い季節になると、湿度が低く空気が乾燥します。 それに暖房が加わるとより一層乾燥が強くなります。 そのような環境では、皮膚の表面から水分が奪われて乾燥し、かさかさになります。 水分を失った皮膚は、少しの刺激でも神経を刺激してかゆくなります。 ドライスキンでは皮膚表面近くまで知覚神経線維がのびて外からの刺激に敏感になっており、ちょっとした刺激にもかゆみを感じやすくなっています。 また乾燥によって、表皮のバリア機能障害がかゆみ過敏や湿疹の原因になります。 [なぜ高齢者に多いか] 1.皮脂膜の減少:皮膚表面は皮脂腺から出た皮脂と汗が混じりあった 天然の保湿クリームでおおわれ、水分の蒸発を防いでいるが、年齢とともに低下します。 2.天然保湿因子低下:角質細胞内の天然保湿因子NMFと呼ばれる水溶性アミノ酸に 結合した水分が少なくります。 3.角質細胞間脂質:細胞をくっつけているセラミドを主成分とする脂質が少なくなります。 [治療] ドライスキンには入浴後、保湿剤を皮膚が乾ききらない前に塗ってください。 湿疹ができたら、保湿剤だけではなくて、外用剤(ステロイド外用など)や内服薬のかゆみ止めを用います。早めの治療が早期回復に役立ちます。 [予防] 1.風呂の注意:熱い湯と長湯をさけてください。石鹸やボディソープを使いすぎないでください。 またナイロンタオルなど硬い素材のものでごしごし洗わないようにしてください。 保湿成分の入った入浴剤を使ってもよいでしょう。 2.肌着や衣服:皮膚を刺激しない綿のものまたは綿混紡のものがおすすめです。 3.室内の乾燥に注意:タオルを干したり加湿器なども役に立ちます。 [注意点] 若い方でも、体を洗いすぎたり、洗浄力の強いボディソープを使ったりして同じような症状が出ることがあります。 ドライスキンによるかゆみと考えていても、なかには基礎疾患(糖尿病、腎疾患など)や飲んでいる薬の副作用の場合もあるので注意してください。
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