アトピー性皮膚炎のかゆみ過敏について
[2006.12.13]
アトピー性皮膚炎では通常ではかゆみを起こさないような
出来事(刺激)でもかゆみを感じてしまう”かゆみ過敏症”にあります。たとえば、自分の髪の毛、服のタグ、ニット製品が触れるなどでも強いかゆみを感じます。機械的刺激だけではなく、熱刺激でもかゆみを感じます。かくということは、通常は痛みを感じてかゆみを抑制しますが、かゆみ過敏状態では逆にかゆみを増幅させます。アトピー性皮膚炎の方が一旦かきだすとやめられなくなる原因のひとつです。
ではどのようにすればかゆみがが治まるのでしょうか。まずかゆみの原因となる皮膚の炎症をよくすることがもっとも有効で、外用療法などによる治療や乾燥肌の保湿剤などによる改善が大切です。皮膚炎や乾燥肌を放置せず治療することはかゆみの軽減にもつながります。そのうえにかゆみをおこしにくい生活面の工夫が必要になります。皮膚を刺激するような衣服を身に着けない、ごしごしときつく体を洗わない、入浴時の湯の温度を高くしすぎない、汗はこまめに洗うないしはふき取るなど。
たたいたりしてかゆみを抑制するとすれば、かゆみの場所では逆効果になるので、近辺の健常部にするほうが有効です。また冷やすことでもかゆみを抑制することが可能です。
参考:てこずる外来皮膚疾患100の対処法 p38 生駒晃彦