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創傷の閉鎖療法(湿潤療法)

[2007.01.30]
いままで"傷は乾かしたほうが早く治る"という考え方が一般的でしたが、 最近になって”乾かすと治りにくい”、"湿った状態のほうが早く治る" という考え(moist wound healing)に変わってきました。 湿った状態(湿潤環境)では線維芽細胞やコラーゲンが盛んに増えて、その表面を表皮細胞が覆い、速やかに上皮化つまり皮膚が再生します。ところが、乾燥環境では傷の表面がからからになって、カサブタができ、そのカサブタが表皮細胞が増えることを妨げるため、上皮化が遅れます。 皮膚が損傷をうけると、治そうという反応のため、創面からにじみ出る液にはさまざまな細胞成長因子やサイトカイン(血小板増殖因子、上皮細胞増殖因子、トランスフォーミング増殖因子など)が含まれており、創傷の治癒に大切な役割を果たしています。湿潤環境というのは、細胞を育てたり、新しい線維をつくるための重要な因子を含んだ培養液のようなものと考えられています。 乾燥環境ではこれらの因子がなく、細胞の増生がおくれるため、治癒が長引きます。 最近になって医療機関では湿潤環境を保つためのいろいろなドレッシング剤(創傷被覆剤)を用いて褥そう(とこずれ)の閉鎖療法が行なわれるようになりました。また、やけどや外傷にも閉鎖療法が用いられるようになりつつありますが、ドレッシング剤の使用には保険診療ではまだまだ制限があります。 家庭では、閉鎖療法を浅い傷の自己ケアとして、軟膏をたっぷりつけて創面を乾かさないとか、市販のハイドロコロイドの傷テープを使うなどの応用ができます。但し、創面に砂や汚れがないことと細菌感染がないことが重要な条件になりますのでご注意ください。
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