男性型脱毛症(AGA)治療薬・プロペシア
[2006.03.15]
雑誌などメディアを通じて話題になっているいわゆる若禿げの内服薬です。
[男性型脱毛(AGA:Angrogenetic Alopecia)とは]
1.思春期以降の男性で 2.特定の遺伝的背景を持つ人に 3.前頭部から頭頂部という特徴的な脱毛パターンをとり 4.毛髪の軟毛化を伴う進行性の脱毛 と定義されています。
[作用機序]
男性ホルモンのひとつであるテストステロンの活性化酵素を阻害します。テストステロンは標的細胞内で5α-リダクターゼという酵素によって生物活性の高いジヒドロテストステロンになり、それがレセプターに結合して、その後、核の中で遺伝子が活性化され生物学的作用を示します。ジヒドロテストステロンが男性型脱毛症の原因物質です。5α-リダクターゼにはI型とII型がありますが、プロペシアはII型の特異的阻害作用を持っており、ジヒドロテストステロン産生を抑制します。II型5α-リダクターゼは禿げてくる前頭部とひげの毛母細胞、前立腺などにしかないためこれらの細胞に特異的に作用し、I型の存在する肝、副腎、腎、皮脂腺、後頭部皮膚などにフィナステリドが作用することはありません。
[効果と副作用]
効果としては、抜け毛の進行を抑える効果や毛髪状態を改善する効果が期待できます。日本国内での1年間の臨床試験では半数以上の人に改善が認められています。重篤な副作用はみられていないようですが、肝機能障害にある人では安全性は確立されていないこと、少数例で性機能に関する症状、胃部不快感などの報告があります。
[注意点]
前立腺がん検査で測定されるPSA値(血清前立腺特異抗原)に影響を与えるということや、妊婦が誤って内服しないことなどです。
[診療費ならびに薬剤費]
現在は保険適応外になっていますので、診療費ならびに薬剤費とも全額自己負担です。
当院の費用は以下のとおりです。
・初診:3.000円
・再診:1.000円
・薬代:4週間分で7.500円